団体紹介

横浜アクションリサーチは、私たちが住む横浜をベースに、社会運動で活動(アクション)しながら調査・研究(リサーチ)しようと2001年9月に設立した。ファンドはどこからもとらずスタッフも増やさず、無理なくできることをしていこう、自分たちが住む横浜の地で、地域の、国内の、そして海外の仲間とネットワークを作り、市民がとりわけ若い世代が暮らしやすいオルタナティブな世界を作っていきたいと考えている。

金子文夫は70年代半ばから、遠野はるひは70年代末から日系多国籍企業の調査をはじめ、当初は日本の現地調査機関にターゲット企業を紹介してもらい、同時に当時関わっていた日本の社会運動団体と連絡のある現地NGOの助けをうけて調査を実施した。そして、最初に学んだことは多国籍企業の姿を労働者の側から見る重要さだった。

私たちが影響を受け深く関わった運動と調査は、80年代から90年代にかけ14年間続いた「新白砂パート・社員労組」による争議と2001年から現在まで継続している「フィリピントヨタ労働組合」による争議がある。新白砂電機は海外・国内企業の下請け、フィリピントヨタはトヨタ自動車の子会社、いずれも多国籍企業のサプライチェーンである。

多国籍企業のサプライチェーン労働者が直面している問題は、非正規雇用化、生活できない低賃金、労働環境の安全衛生、組合を作る権利である結社の自由、工場閉鎖などの予期せぬ資本移動などがあげられるが、これらの問題は時代を超え存在している。企業同士のシビアな国際競争は、各国労働者に、そして国内の身分の相違する労働者に「下へ向かっての競争」を強いることになった。こうした状況を変革するためのオルタナティブは何か。多くの代替案が示されているが、私たちが多国籍企業調査を通じて考えているのは、●各国労働者・市民の国際連帯 ●国際労働規制 ●国際課税が必要不可欠だということだ。

横浜アクションリサーチは、10数年前から香港の国際労働団体・AMRC(アジア・モニター・リソース・センター)とともに国際共同調査をおこなっているが、2002年にはAMRCと関係する団体とともにATNC(アジア多国籍企業監視ネットワーク)を立ち上げた。また、オランダに本部があるクリーン・クローズ・キャンペーン(CCC)のメンバーであり、2017年6月に結成されたCCC東アジアの運営委員となっている。

連絡先
E メール:yokoama-arc(アットマーク)jca.apc.org
電話: 045-353-9008 FAX: 045-353-9998

 

●スタッフプロフィール

遠野はるひ(とおの・はるひ)

1951年生まれ。東京大学大学院修士課程修了。「アジアの女たちの会」などで、多国籍企業の労働問題、買春観光、基地売春、移住労働者などの調査・支援活動をする。地元の神奈川では、脱原発・福島の子どもの健康などに関わる社会運動を通じて地域ネットワーク構築につとめている。「福島子ども・こらっせ神奈川」事務局長、「フィリピントヨタ労組を支援する会」事務局、「クリーン・クローズ・キャンペーン東アジア」運営委員、「グローバル連帯税フォーラム」理事など。

金子文夫(かねこ・ふみお)

1948年生まれ。東京大学大学院経済学研究科単位取得満期退学、博士(経済学)。1981~2014年、横浜市立大学助教授・教授。その間に復旦大学・ハーバード大学客員研究員。現在、横浜市立大学名誉教授。グローバル連帯税フォーラム共同代表、「フィリピントヨタ労組を支援する会」事務局。日本の多国籍企業、対外経済政策を研究。

主な著書:『近代日本における対満州投資の研究』(近藤出版社、1991年、日経経済図書文化賞受賞)、『トヨタ・イン・フィリピン』(遠野はるひとの共著、社会評論社、2008年)、『高度成長展開期の日本経済』(共著、日本経済評論社、2012年)など。