CCCのユニクロ宛手紙(2017年2月21日)

ファストリテイリング 新田幸宏さま

(Eメールにて)

2017年2月21日

貴職が2015年にワーカーズ・ライツ・コンソーシアム(WRC)のジェシカ・シャンパーニュ(Jessica Champagne)と、2016年にレイバー・ビハインド・ザ・レイベル(Labour Behind the Label)のアナ・マクミューレン(Anna McMullen)と話をされた件について、フォローアップのためにご連絡差し上げます。

ファストリテイリングのインドネシアのサプライヤーで倒産したPT Jaba Garmindoの工場で働いていた4000人の元労働者には、未払い賃金および退職失業)手当として計1410億インドネシア・ルピア(1080万ドル)の補償金を受ける法的権利があり、この支払いが至急行われなければなりませんが、未だ実行されておりません。

労働組合GSBIは、2016年8月9日付の書簡を以って、PT Jaba Garmindoの労働者が非常に困難な状況にあり、これを解決するための一助として貴職の介入を求める依頼をしております。労働組合IGSBIおよびFSPMは、労働者たちの多くが他の生計手段を持たず、家族で住む住宅や子どもの教育といった、日常生活に不可欠な基本的ニーズを満たすことができなくなっている者もいることについて、懸念を表明しています。

労働者たちが2015年3月からこのような困窮状態におかれたままであることは、あまりにもひどいというだけでなく、同時に、『生産パートナーは...適用される全ての法律に則って、賃金および手当を支給する』ことを求める御社サプライチェーンの行動規範に違反しています。

貴職は、WRCのシャンパーニュさんとの最近のやり取り(2015年12月28日)のなかで、ファストリテイリングが『引き続き、この件に関する法的手続きの進捗をきちんと見届け、必要となれば、さらなるアクションを取ることを決定する』ことを保証しています。

ご存知かもしれませんが、 このほどPT Jaba Garmindoの以前の資産が競売にかけられたものの、労働者への未払い賃金の45%をまかなう金額にしかなりませんでした。労働者はいまだに、失職手当やその他の受け取るべき補償金が支払われるのを待っています。

FSPMI と GSBI の2労組は、多くの労働者が、工場からの補償が出なかったときに借り入れた借金を抱えていたり、住居を失ったり、子どもの学校関係の費用が払えなかったりしていると報告しています。今子どもの学校関係の費用が払えないことは、今後永続的に子どもたちの教育に悪い影響をおよぼしますし、将来的に得られる収入が減ってしまうことにもなります。労働者たちの状況は、工場の主要な取引先(納入相手)の一つである御社に対して、私たちが最初にこの件をお知らせした時点から、さらに悪化しています。

PT Jaba Garmindoの他の顧客たちがすでに進んで行動したのと同様に、ファストリテイリングが今すぐアクションをとり、PT Jaba Garmindoで働いていた労働者たちに失職手当が支払われるよう支援することによって、人権を尊重するという企業責任を果たすことを、私たちは求めます。PT Jaba Garmindo と継続的に取引のあった御社には、サプライチェーンの労働者に起こったマイナスの影響を緩和する義務があり、したがって、御社は解決のための資金を提供しなければなりません。

このレターにサインしている団体は、今後ファストリテイリングがとっていくことを計画している対応・行動の概要を示した返信を、2月27日までにくださるよう要請します。私たちは、本件について報告を公表する用意がありますので、御社のブランド向けに衣料を生産していた、不誠実な対応をされた労働者たちの状況を改善するために御社がとっていこうとしている対策を理解することが、私たちにとって重要です。

敬具

(署名)Laura Ceresna-Chaturvedi CCCドイツ緊急アピールコーディネーター

CCC国際事務局 
CCC EA(東アジア) 
People & Planet 
War on Want 
Workers Rights Consortium

※英文はこちら→ PDF