国際女性デーにユニクロ・ロンドン店頭で連帯行動

遠野はるひ(横浜アクションリサーチ/CCC東アジア)

2020年3月7日ロンドン・ユニクロ前行動写真1

 国際女性デーの前日、3月7日、イギリスのクリーン・クローズ・キャンペーン(CCC)とレイバー・ビハインド・ラベルの女性たちは、サプライチェーンで働く縫製女性労働者の人権とユニクロの元サプライヤー、ジャバ・ガーミンド(JG)労働者に連帯しようと、ロンドンの中心街、オックスフォード通りにあるユニクロ旗艦店の前に集まった。店頭で柳井社長に扮したパフォーマーが「いかに労働者の権利を無視し、金持ちになるか」をラップのリズムにのりながら語り、女性たちは通行人にビラを配布した。
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2020年3月7日ロンドン・ユニクロ前行動写真 2

 2015年4月、ユニクロのインドネシアのサプライチェーン、ジャバ・ガーミンド社が破産し4000人の労働者(80%が女性)が、550万ドルの手当・退職金が未払いのまま解雇された。2014年10月にユニクロが注文を引きあげたことが倒産に大きく影響したという。CCCは、倒産は生産を委託していたブランドにも責任があると、未払金550万ドルを求める「ユニクロ支払って」キャンペーンを続けている。CCCによれば、会社に支払い能力がない場合、ナイキやアディダスなどブランドが労働者を支援するケースは、多々あるという。

 署名キャンペーン、2018年のテート美術館でのパフォーマンス、ユニクロ大使となったロジャー・フェデラーへの手紙、そして日本へのスピーキングツアー。2019年のヨーロッパへのスピーキングツアーと女性たちのキャンペーンにもかかわらず、ユニクロは2018年11月にジャカルタで開かれた第2回交渉を最後に、交渉には応じないと宣言した。

「ユニクロ支払って」キャンペーンビラ1

 2019年10月、CCCとジャバ・ガーミンド労組は、ユニクロの親会社・ファーストリテイリング社がメンバーとなっているFLA(公正労働協会)に、ユニクロがFLA行動規範と「公正労働と責任調達の原則」に違反したとして訴えをおこした。この訴えはFLAに受理され、今年1月にはFLAがJG労働者から聞き取りをするなど調査がはじまった。

 FLAはワシントンDCに本部がある民間認証機構で、90年代ナイキなどのブランドに対し、サプライチェーン労働者への労働環境改善をもとめる学生・消費者運動に呼応して設立された。大手のアパレル・スポーツ用品ブランドがメンバーとなっているが、日本では2015年に加入したファーストリテイリング社が唯一のメンバーである。FLAのメンバーは、FLAの定める労働環境基準を遵守し、サプライチェーン工場への抜き打ちのモニタリングも受けなければならない。工場でのモニタリングは評価・公表され、違反があれば改善をもとめられる。

「ユニクロ支払って」キャンペーンビラ2

 インドネシア現地ではJG労組のメンバーの多くが、元JG工場の周辺に住んでおり、その日暮らしのインフォーマルな仕事で日々の糧を得ている。返すあてもない借金をかかえている人も多い。しかしながら、多くの労組員はインドネシア労働法で裁定された正当な債権・550万ドルを求めて闘いを継続している。

 昨年8月のファーストリテイリング連結決算によれば、売上げ2兆2905億円、営業利益2576億円、純利益1625億円を計上している。いずれも過去最高の業績をあげた。その要因は海外のユニクロ事業が大きく伸びたことにある。現在の海外店舗数1432は、国内店舗数817をはるかに上回っているが、ロンドンは2001年にユニクロが海外1号店をだした思い出深い町だ。当時無名の日本ブランドは、それから20年もたたないうちにZARA、H&Mに続く、世界第3位規模のアパレルメーカーとして急成長をとげた。

 国際女性デーにあげられたイギリスの、インドネシアの、そして世界の女性たちの声、「ユニクロ支払って」は、柳井社長の耳に届いているのだろうか。

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