ミズノのみなさん、私たちは「#Neverstoppushing」
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- 公開日:2017年10月31日(火)02:15
遠野はるひ(横浜アクションリサーチ)
•公安に出迎えられて
昨日(2016年10月12日)、御茶ノ水にあるミズノ東京本社に向かう道で携帯電話が鳴った。「公安がたくさんいるよ!」一足先に到着した友人からだった。
レイバーネット日本のウェブで要請行動を知らせたので公安が自発的にきたのか、それとも11日にミズノに電話して、この国際キャンペーンを知らせたためなのか。11日の夕方、ミズノに①13日の交渉に参加するかどうか、②私たちの要請文を受け取ってほしいという、2点を伝えるために連絡していたのだ。というのは、10月13日、インドネシアで予定されている交渉にミズノが参加すれば、日本からスタートして16日のミズノがスポンサーとなるアムステルダムマラソンまでの国際キャンペーンは、すべて中止することになっていたからだ。返事は、「この問題は大きくて法務部だけでは決められないので、取締役会で決める」とのことだったため、PDK労組・CCC(クリーン・クローズ・キャンペーン)に相談して、この日の要請行動を実施することに決めた。
本社前で最初に出迎えてくれたのは黒いリクルートスーツに身を包んだ3人の公安らしき若い男性たち。「公安は、10人以上いるね」誰かが耳元でささやいた。16人の市民による小さな抗議行動に同じ数だけの公安とは。インドネシアで出会ったPDK労組の女性たちは、ストライキ中に警察官から催涙ガスを浴びせられ暴力を受けたと語った。過酷な労働条件に我慢ならず立ち上がった女性たちへの警官隊導入、彼女たちを支援する市民を監視する日本の公安。「人権」とか「正義」は「いったいどこにあるの???」
•日本からスタートしたキャンペーン
キャンペーンスタート予定の16時が近づいてきた。国際労働問題に関心をよせてきた仲間たちも次々と集まってくる。レイバーネットのウェブをみて駆けつけてくれた人たちもいた。私たちはあわててマリオの扮装に着替えた。リオオリンピックの閉会式に間に合うようにと、安倍首相がマリオになって日本からリオの会場に駆けつけた映像は、まだみなさんの記憶に新しいのではないかと思う。安倍マリオは世界にもインパクトを与えたらしく、安倍マリオからミズノに解決をお願いしてもらおうという国際キャンペーンのアィデアで、マリオのコスプレを使うことになったのだ。
本社前で横断幕を2枚広げる。「ミズノはインドネシアの労働争議を解決せよ MIZUNO, PAY THE WORKERS WHO MADE YOUR SHOES IN INDONESIA」、「ミズノ、私たちは抗議をやめない!MIZUNO、WE WILL #NEVERSTOPPUSHING」、これらの文言も世界共通のものだ。本社前は人通りが少ないので、私たちはミズノ本社の社員たちとギャラリーの公安に向かって、キャンペーンのスローガン、「#Neverstoppushing」を繰り返した。意訳すると、「ミズノ、私たちは抗議をやめない!」、「解決まで挑戦をし続ける」だろうか。
約束通り玄関間にでてきてくれたミズノのスタッフに向かって、参加者が要請文(→PDF[日・英])を読み上げた後、手渡した。要請文の内容は7月に世界の各団体からミズノに送られたものを少し変更したもので、ミズノのサプライチェーンで働いていたPDK労働者の要求―①未払い賃金の支払い、②退職金の支払い、③補償金の支払い―を支援者として要請するものだった。8月9日にPDK労組とパルナブグループの交渉がインドネシアでおこなわれたが、それに先立ちヨーロッパでメディアキャンペーンが繰り広げられ、その一環として要請文が世界各地からミズノに送られたのだ。横浜アクションリサーチもPDK労組からの連絡に応え、7月19日に要請文を送ったが、ミズノからの返事がなかったこともあり、差出人を「PDK労働者を支援する日本の市民・労働者」にして、再度、この日に提出することにしたのだ。
その後、日本の消費者に訴えようと、靖国通りに面したミズノの店舗へと移動した。残念なことに店舗は休業日で開いていなかったが、マリオのコスプレに驚きながら、道行く人はビラを受け取ってくれた。
この記事を読んでくださるミズノのみなさん、私たちはこの問題が解決するまで、「#Neverstoppushing」
レイバーネット日本ウェブサイト(2016年10月13日)からの転載
http://www.labornetjp.org/news/2016/mizunotokyo1012
リオ・オリンピックに現れた |
ミズノ東京本社 |
ミズノはインドネシアの |
対面の道路から |
ミズノのスタッフの前で |
ミズノショップの前で |
ミズノはインドネシア労働争議を解決せよ! (動画)