インドネシア・ダイハツの販売店労働者が不当解雇

インドネシア・ダイハツの販売会社であるカリスマ・セントサ・マカッサル社は、過酷な労働条件を是正しようと結成された労働組合との交渉を拒否しただけでなく、2017年12月23日、警告もなく突然、組合役員6名、組合員3名を解雇した。

南スラウエシ州の主要都市に店舗をもつカリスマ・セントサ・マカッサル社(会社)は、ダイハツから公認され、ダイハツの海外子会社、アストラ・ダイハツと覚書を交わす覚書を交わす販売代理店である。

しかしながら、その労働条件は過酷で、月に車を3台販売しなければ最低賃金に達せず、健康保険への登録も無視され、2016年の経営陣の交代によりそれまでは明確ではなかった販売員の身分を契約労働者とした。会社の明らかな労働法違反に我慢できなくなった労働者たちは、2017年10月に全国自動車労働者組合(SPON)を結成し、労働移住省地域事務所に登録した。SPONは、ナショナルセンターである全国労働組合連合(KSN)傘下にある全国労働者闘争連盟(FPBN)の加盟団体である。


2017年12月28日、ダイハツ販売会社前で組合潰しへの抗議行動

結成から2ゕ月後、12月11日、SPON は会社に交渉を申し入れたが、会社は労働組合の存在を認めないとして交渉を拒否したため、12月21日ストライキ通告をすると、23日、組合役員6名、組合員3名を解雇した。解雇者は3年から7年、勤続していたが、警告も文書もなく、解雇手当もなく、口頭で一方的に解雇されたという。

SPONと上部団体FPBNは、解雇者の職場復帰、法に従って販売員を契約労働者から正規労働者にすること、最低賃金の支払い、健康保険の受給、労働組合承認を求めて、12月28日、カリスマ・セントサ社の販売店前で抗議行動を組織、続いて年が明けて、1月7日、1月29日から2月3日まで抗議行動を実施したが、会社は話し合いの場にごろつき集団を投入し組合員を威嚇するなど、今に至るまで状況の好転はない。

組合は12月29日に警察および労働移住省地域事務所にこの不当解雇を提訴し、2月初めには地域事務所から組合の訴えを認める調査結果が出された。

ダイハツとダイハツの親会社・トヨタには、同一タイトルの「仕入先CSRガイドライン」があり、人権・労働に関してはほぼ同じ内容となっているが、そこには最低賃金、組合の結成に関しては現地の法を遵守することが明記されている。ダイハツおよびトヨタのサプライチェーンの一環であるカリスマ・セントサ・マカッサル社の労働者が不当解雇されている事実に、日本の多国籍企業は責任の一端を負うべきであろう。

詳しくはKSNの英文ウェブサイトに掲載された記事、「ダイハツのインドネシア販売会社で組合つぶし」の日本語訳を参照。

2018年2月7日で3度目の抗議行動

 

対峙する販売店幹部たち