グローバル・サプライ・チェーンの現実から

―「国際労働規制」の強化と新たな「労働運動」の流れ―

企業主導のグローバル化により加速される「底辺に向かっての競争」をくいとめるためには、国際機関による「国際労働規制」の強化、及び労働者と市民による「労働運動」の広がりが不可欠だと、16年間の「フィリピントヨタ争議」支援の体験を通じて私は確信している。喜ばしいことに、2010年頃から「国際労働規制」とアジアにおける「労働運動」の新しい動きがあり、その息吹を2つの国際会議で実感した。

・2つの会議に参加して

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アジアにおける自動車関連労働運動の動向

自動車関連の争議は、アジアではインド・韓国・フィリピンで断続的におきている。2008年のリーマンショック以後、自動車労働者の争議には新たな勢力が登場してきた。アジアの経済成長、とりわけ、中国・インド・ASEAN諸国の成長は目覚ましく「世界の工場」となり、同時にGSC(グローバル・サプライ・チェーン)が急速に形成されていった。労働運動も従来のインド・韓国といった国に加え、2010年ごろから中国やインドネシアで勢いをました。これら両国は労働法改正を背景に、若いリーダーに率いられた労働運動が勃興した。経済成長の果実が労働者には公正に分配されていないと感じた若者たちは、最低賃金の引き上げ、非正規雇用の正規社員化、社会保障の要求などをかかげ、労働組合の結成をこころみた。

・南海ホンダのストは全国に広がる

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